アンサンブルエトワールコンサート さやかホール にて 2018/10/13

中谷庸子さんの作品「彩、〜いにしえ〜古代の赤、丹(ni)」に取り組んだ約3ヶ月間は、

ただひたすら練習、練習の毎日だった。

個人練習だけでなく、フルートの川本玉代さんと合わせる時間も、二人で相談して、

何度も持った。

その甲斐あって、段々と曲全体が見えてきて、掛け合いも安定していった。

もし、本番が一ヶ月先なら、二人でまだまだしつこく合

わせる時間を作って練習しただろうと思う。

弾けば弾くほど発見する事があり、面白さが見えてく

る。この曲に出会った事に感謝したいと思う。

本番は無事終わり、一旦終了だが、まだまだ課題はある

ので、引き続き練習に取り組み、精度を上げていきたいと思っている。

今回のコンサートでは、フルートの川本さんだけでなく、アンサンブルエトワールのみなさともお近づきになる事が出来た。夕方クインテットのアンサンブルにも加えてもらい、楽しいアンサンブルの時間を過ごす事が出来た。

そして、コンサート当日は、なんと私のマリンバの恩師

の種谷先生が聴きに来てくださったのだ。

先生からは終演後に有り難い言葉をいただき、感激した。

聴きに来て下さった種谷先生はじめ友人のみなさん、どうもありがとうございました。

作曲者による曲目解説

中谷庸子                  彩  〜   いにしえ~古代の赤、丹(に)~

私の中での最近のテーマは、音で色を表現するということ。マリンバとフルートの特性を生かし、少しでもそれが表現できればと試行錯誤した。題名からもご想像いただけるよう、今回の曲「彩、いにしえ ~古代の赤、丹~」は、色彩の中でも古代の赤色に焦点を絞ったもの。辞書などを見ると、「丹」は「赤土の古語」とあり、鳥居など都の様々な建物に「丹」が使われたという事実からも非常に重要な色であったことは容易に想像できる。平城京への遷都から1300年を迎えた2010年に、この曲を書き終えた。時空を超えてひととき当時の都へ思いを馳せた。

大阪音楽大学作曲学科卒業。米国オレゴン大学より修士号を、またブランダイス大学よりアイラ・ガーシュイン賞を受賞し、博士号を取得。2010年に兵庫西宮にて、また2011年にベルギーのブリュッセルにて、自作品によるリサイタル「詩情の音」を開催する。舞台、映画、室内楽と多方面にわたる作曲活動の傍ら、2014年NPOヴィヴァーチェを立ち上げ、多彩な企画で音楽活動ならびに音楽教育を推進中。ボストン在住。